Ju Seiインタビュー

土曜日、trash-uppodcast用に、Ju Seiインタビューを決行。いつもインタビュー相手よりも自分達の「感想」を話しまくってしまう俺とミヤナガさんは今回も反省せずにしゃべりまくり、帰り際にはもやもやしていたんだけど、聞き直してみたら意外と盛り上がっていて面白いインタビューになったかも。Ju SeiのSeiちゃんもきちんと空気感をビンビン漂わせていてとても好ましいんだけど、Ju担当、ギターの田中君の空気感はそれと真逆。中身の無い部分で大分面白かったので、また話してみたいなー。例の箇条書きできる感じ。

  • トイピアノとアコギにウィスパーボイスで「もしかして…」
  • 靴先に鉄板の入った「バイト靴」
  • 一周回ってコンビニ帰り
  • ジョン・ゾーンの浅い座談会」は誰の役にも立たない
  • 頑張ってアディダスの9,800円
  • 結局それは悪目立ち
  • 「なんだっけ、あれ。オーラ」問題

で、これらほとんど本筋と関係ないのが素晴らしい。超有意義な中身レス時間を過ごしてきました。Ju Sei、要チェック!

宇宙商人/This Song

すっかり告知忘れていましたが、「宇宙商人」の!待望の!アルバムが!完成しました!CD-Rでじゃかじゃか売ってます。現在関西中心に。関東は、俺が頑張らないといかんのですが、興味ある方は連絡ください!

http://www.jetsetrecords.net/jp/%E5%AE%87%E5%AE%99%E5%95%86%E4%BA%BA-THIS-SONG/product/812003577842
http://artrock-1.shop-pro.jp/?pid=14349175

宇宙商人というのがどういうユニットなのかと改めてお話しするとですね、我々大学時代から音楽を必死こいてやってきているわけですが、まあ様々な手法を使ってミューズにアプローチしているわけです。それが、この宇宙商人の久永君(DJメガネ)という人は、初めっからミューズに口づけされているような人でね。俺みたいなドブに浸かった音楽を地這いつくばってやっているダニのような人間ならともかく、あのエイプリルズの、今をときめくエイプリルズの今井君なんかと話をしていても、「なんで俺らが音楽続けているのに、一番才能に恵まれた久永君が全くアクションを起こさないのか…?」と嘆くような、そんなラージな奴なんですが。

そんな彼は、何をやっても上手くやってしまうもんだから、その場のモードに流れて、パワーポップからデジロック、ガールズポップからミニマル、ジャンクミュージックからダブまで、様々なモードで音楽を遊び続けてきたわけですが、そんな彼がバンド時代の宇宙商人のボーカルだった松岡さん(ejiki)と結婚し、その松岡さんが想像以上の歌姫っぷりを披露し、事実上のミューズとして幸せな降臨を果たしてから、現在に至るヒップホップ路線を突き詰めていたわけです。

そんな時代の集大成的アルバムである今作は、新録旧作織り交ぜて、これ以上無いぐらいの密度のポップミュージックが封じ込められていたわけだから、僕らも聴いて驚喜。久永君は歌うのを止めて、独特のフロウでラップするようになり、松岡さんもR&B調のメロディを紡ぎ出すようになったんですが、これを聴いてやはり宇宙商人の根底には一本筋の通った「ポップなメロディ〜ポップな展開への渇望」が脈々と流れているのだとはっきり気付いてしまった。

これははっきり言って事件でもなんでもなく、彼らにとってはただの通過点。この盤が注目されて、次の一歩を踏み出してくれないかなーと思い、僕もささやかながら協力させていただいております。(なんらかのオファー、販売希望、その他お問い合わせは、僕の方でも受け付けておりますので、ジャカジャカお便り下さい!pelepop@gmail.com)

まあ、とりあえず、myspaceで聴いてみてくれや。

http://www.myspace.com/utyushonin

言葉の泡

ここで引用されていることって、その次の方が大事だと思うんだけどなあ。まあ基本的には、言葉以下の凡々としたところに陥っちゃうもんだよね。俺も、日々の泡はtwitterでずわーっと流す事にした。

でも、mixiやブログで種明かしされてバケの皮がめくれてつまんなくなってしまう音楽なんて、もともとたいしたことないんじゃないの、とも思う。そんなこと言い出したらアーティストはインタビューだって一切受けちゃいけないことになる。「自戒をこめて」と書いているということは、少なくとも岡村さんはわれわれのような音楽ライターも「想像力を剥奪している関係者」だと見なしていることになる。でもね、言葉が想像力を剥奪することもあるだろうが、逆に想像力を飛躍させるきっかけとなることもあるんですよ。

http://onojima.txt-nifty.com/diary/2005/12/post_0234.html

言葉を紡いでも紡いでも、今なお謎感を保ってる(どころか増してる)人で、今ぱっと思いつくのは虹釜さんテニスコーツ植野さんかなー。違うベクトルのブログだけど、虹釜ブログはエントリを重ねる毎に想像の霧が立ちこめて来るし、植野さんのブログは飯食った話とか書いてあっても、どうしたらよいのかよく分からなくなって来る。そうやって考えたら、結構ブログとかtwitterで言葉重ねてる人が謎感をより醸造している例は沢山あると思う。今、一番好きなミュージシャンズtwitterは、ククナッケさんのtwitです。面白いよね。

この辺の事を、podcastで草案出してみた。まだ準備中ですが、今後がつんとやってきますので、再度告知します。告知事多いのに、溜めてるなー。

つーか、すっげー古い記事だったねー。

天皇と芸術と私

マジでビビった。日本って、こんな感じなんですね、今。

【沖縄】裸体や入れ墨の天皇コラージュ作品…展示を拒否された美術家、県立美術館に抗議
http://tsushima.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1242741444/

最近言われてる「レイプレイ」問題とかと地続きな、所謂「表現の自由」問題がここでも取り沙汰されている。レイプや妊娠のみならず、中絶までもをどん欲にズリネタとして扱う事に対する(異文化からの)「表現の抑圧」の問題と、天皇への不敬に対する「表現の抑圧」の問題なんだけど、後者は完全に抑圧者に対する同意で塗り尽くされている事に唖然とする(まあ、ソースは2ちゃんオンリーなので、今後どうなるか分からないんですけど)。

「むかつく」人が多いなら、どっちもゾーニングすればいいんですよ。ゾーニングした中で、自由にやればいい。手を出す人間に、「これはおおっぴらに認められている事ではないのだ」と自覚させながら、後ろめたさの中で表現させれば良いと思う。コラージュもサンプリングも、常にそういう意識というのはある。基本的にグレー、もしくは黒い行為だから。戦う人は戦うだろうし、潜る人は潜るだろう。そうした闘争の中で更新されていく、ゾーニングボーダーの拡張と縮小の過程が、その国/共同体のサブジェクトに対するあり方/立ち居振る舞い方を端的に表現してきたと思うんです。

でも、俯瞰して客観視すると、「レイプレイ」は未だ議論の余地のある芸術だが*1、「天皇をネタにしたコラージュ」は問答無用で無しって事か?おかしいだろ。そもそも、この作品*2の美学を理解出来ない…というか、理解出来ないのは仕方ないにしても、理解しようと努力すらしない姿勢が、この大衆文化を十分に堕落させていると思って、俺の嘆息は今日止まらなかったよ、マジで(だからと言って「国内で不当に無視されている」というペシミズムには陥らないんだけど)。「レイプレイ」はエロゲだから駄目、認められない、って頭ごなしに言ってるのとなんら変わらないわけ。

というか、この国には、今こそモンティ・パイソンが必要だし、そこで行われるであろう超過激で一足先に未来を見るであろう表現世界は、今のブロゴスフィアを猛烈に糾弾するであろう。という確信に近いものがあるよ。そこで行われる思想闘争を、俺は見たいね。マジで、硬直してるよ、今のネット言論。

※このインタビューでは、そもそもこの表現は「自画像を作る」ためにやったと書かれていて、それはそれで素晴らしい試みだと思う。いや、クールですよ、マジで。
http://www.cinra.net/interview/2008/08/05/215300.php

*1:僕は、鬼畜系エロゲに詳しくないので、果たして「レイプレイ」の中に、何らかの批評性があるのか、それはよく分からないんですけど

*2:図参照。俺は超カッコいいと思うよ

全自動ブックマーク棚卸しのdel.icio.us版作ったよ。(だけど…)

http://d.hatena.ne.jp/nitoyon/20090512/zenjido_bkm

このエントリ見て、del.icio.us使いであるところの自分は、脊髄反射的に「こ れ の delicious 版 が 欲 し い っ !」と叫んだわけですが、ちょっと考えりゃすぐに分かる話なんですが、欲しい奴が自分で作れば良い。

って言う事で、作ってみました。

http://pipes.yahoo.com/mcatm/delicioustimemachine

使い方ははてな版とほぼ一緒ですが、パスワードも入力する必要があります。でも、実用厳しいかも。以下に、注意点がいくつか。

まず、日付でRSSを吐いてくれるはてブと異なり、deliciousではBASIC認証をくぐり抜けて、apiを叩く必要があります。なので、このPipesを利用してBASIC認証してから、xmlを取得し、適切な形に整形しています。なんだけど、このBASIC認証の仕組みが、作者のサーバーを経由しているので、大丈夫かなあ?というのが一点。現に凄い勢いで制限かかってるっぽいので、かなり重いです*1。他にBASIC認証の良い仕組みがあったら教えて欲しいです!

それから、Pipesの仕組み上、URLにパスワードが平文で含まれちゃってます。なので、URLをパブリックにすることは出来ません(止めてね)。これも、BASIC認証避けたい理由の一つ。

ということで、全然不完全+不安定+使えねえ感じになっちゃってるので、使用は自己責任でお願いします。より良いクローン作って、俺に教えてください!最後に、id:nitoyanさんと、BASIC認証pipesの作者さんに感謝!

(しかし、Yahoo!Pipes面白いですねー。良いソリューションが一つ増えた。MAX/MSP使いには、凄く分かりやすいインターフェイスで、サクサク制作出来ました。俺のように、知ってたんだけど触りそこねてた人は、是非いじってみてください)

*1:これ、全feedさらってから、日付でフィルターかけたりした方がいいのかなあ。BASIC認証避けたい

虹釜さんの佐々木敦批判批評

には、単に「佐々木敦」という個人を巡る物語以上の、様々な物語が内包されているわけで。

http://d.hatena.ne.jp/toxicdragon/20090512

佐々木敦という批評家問題」の話を軸に、「音楽批評問題」「アーティスト/音楽家の自意識問題」「情報デザイン問題」「ライターの質問題」「音響派問題」などを、バッタバッタと切っていく内容に、痛快と耳の痛みを同時に感じたんですが、それぐらい虹釜さんの問題意識が拡大しているんだと思うし、もっと言うと当事者感覚が希薄になって、第三者のシビアな目線を送れるようになったんだと思う。Weekly虹釜終了問題と、根は一緒なんだろうなあと思う(虹釜さんがWeekly虹釜を続けられない音楽業界なんて、何の価値も無いよなあ。長い時間をかけて、音楽業界から豊かな余白が零れ落ち、代わりに虚無を抱えこんだんだと思う)。

僕はどうしようもない音楽を作ってるし、一丁前に音盤批評の真似事もしたりするし、何より職業デザイナーなので、要所要所で当事者意識を求められて心地よかったり居心地悪かったり。でも、音楽に関しては、本当に虹釜さんの仰る通りだと思う。今度時間を割いて書きたい「生煮え音楽問題」とか「天才と凡人問題」にも通じるところなんだけれども、「一握りの天才」以外の人が作った「市井の音楽」の効能を信じて、凡人であるところの僕が音楽を続けるのは、虹釜さんのような人がいたからであるし、そもそも僕は「クロスビート」で佐々木さんと湯浅(学)さんがぶち上げた「ローファイ特集」に人生も価値観もねじ曲げられて今があるわけだから、全くもってここに書かれているアーティスト問題とは無縁ではないのだし、それが当然の姿勢でもあったので、どこから「神格化」の歴史に戻ってしまったのか分からない。現実*1と理想の乖離は深刻な程進んでいるのかもしれない。アーティスト然としていない人たちの音楽は、再び無視され、歴史の芥となる時代は来るのかなあ。こうした絶望が一つ一つ積み重ねられる事で、それは現実になってしまうかもしれないよ。

ちょっと色々思うところがありすぎて、ことあるごとに思い返すんだろうなー。とりとめもないけど終わり。虹釜さんの言葉を看過してはいけないし、この人*2にこんな事を書かせてしまう現状には徒労感を感じるのも事実だが、だからこそ、だからこそやるんだよ、の精神は忘れてはならんのだと思いますよ。

(あと、「レーベルやっている人よりもそのレーベル音源をがちで聴きこんだり」している好例が、ここだと思う。懐かし補正もあるのかもしれないけど、ここまで聞き込んでいる人が周りに沢山いたから、俺はライターになろうなんて気を無くしたんだった。)

*1:今のアーティストって、市井の感覚と地続きに音楽を体現しているような幸せな人が多いと思うけど、あまりそのことが表立って取り上げられる事は無い。物語に乏しいから

*2:東京の音楽シーンにおける最重要人物の一人であることは間違いない。それも大分長いこと。当人の卑下は相手にしてはいかん

オードリー定点観測

案の定*1、ブレイクしてしまって、もうお茶の間で観ない日は無いというぐらいの人気者となったオードリーですが、テレビタレントとして、トークしたり、料理を食べたり、ドッキリに引っかかったり、歌を歌ったりする役回りを与えられて出演している場合、観る事に消極的になってしまいます*2。と言っても、出てれば熱視線を送るし、きちんと70点以上のヒットを飛ばしてくれるので安心して観ていられるんですが。

春日人気で今年前半を勢い良く飛び出し、多くの人(大半はおせっかい、でも少数は本当に酷い選美眼の欠如と悪意を曝け出した末の行動だった事を忘れてはならない!)がやんやと囃し立てたような「若林地味(不要)論」「芸のフォームがすぐに飽きられる論」もきちんと払拭し、若林の立ち位置も周知のものとなって、人気は盤石のものになっていくような期待を持っています。

でもやっぱ、俺は彼らの漫才が、彼らの芸が、どう進化していくのか見たいなー。というか、数多くの出演機会の隙間から垣間みれる「進化の爪痕」を、ひっそりと注視するのが好き。この前やった漫才も、「引っ越し」以降のメソッドの端緒を散りばめ、短い時間ながら見応えのあるパフォーマンスだった。うん、大丈夫。今年も大丈夫、と信じたい。

ということで、これからの彼らのアクティビティにおいて注目したいのは、漫才は勿論、加えてつい先日始まった「オードリーのシャンプーおじさん*3」と、ライブかなあと思っています。去年は行こう行こうと思っていながら、結局「半笑いのブレイク予想」を立てていたため、チケットも取らずにのほほんと暮らし、結果今泣きを見ているわけですが、でも頑張れば一度ぐらいは取れるだろうと思っています。どうなることか。まずは「3600」イベントだな。やっぱり若林に視線が向いてしまってるわけですが…。

*4

*1:と言っても、去年の今頃は半笑いの予想だったんですが

*2:去年の今頃は出演機会に乏しかったので、少ないチャンスをモノにするため、それこそ正座して観てた

*3:URL末尾が「kasuga」なのは、結構アレな感じですが

*4:あと、追加報告しておきますと、NON STYLEの石田君はちょっと好きになってきた。未だに漫才はよく判らないけど