OneOne vs CanCan

いやーたまたまテニスコーツディアフーフのユニット×2が、weird-meddleでライブをやるってんで、喜び勇んで出かけてきましたよ。そしたら、「明日来ないと人間じゃない」みたいな鬼気迫る雰囲気になっていたので、次の日も結局観に行き、二連チャンで観る事になってしまいました、けど楽しー。

http://d.hatena.ne.jp/meddle/
http://d.hatena.ne.jp/veno/20080917

わんわんは、テニスコーツさやさんと、ディアフーフのさとみさんのユニット。対抗して植野さんとディアフーフのグレッグが作ったユニットがきゃんきゃん。アルバムは10月に出るみたいです。

一日目は、weird-meddleの狭い店内でのセッション。僕は日頃から、高校〜大学生にいかにしてトラウマを植え付けるかをテーマに活動していますので、このセット、この時間*1、この内容のライブを学生時代に見たかったなーと、札幌で現在学生している諸君を心底羨ましく思った。

「自由すぎる」とか言っちゃうのは簡単だし、この場合決して自由すぎる内容では無かったんですが、セットリストもあやふやなまま、謎音をカットインしてくる植野さんのDJを主軸に、各人の演奏が絡んでいく様は、「音楽は音楽である!」という手合いの原理主義とはかなり遠く離れた視座にあり、おかげで僕もセルフサービスのワインですっかり酔っぱらってしまった。わんわんの楽曲もそこそこに、セッション、テニスディアフーフ各々の曲や、沈黙まで、見事にパッケージングされたステージで、リラックスした雰囲気に包まれていました。グレッグの瞬発力が凄かった(救急車の音に即座に反応してキーボードを弾いたり)のと、一人植野さんが「自由すぎた」(あの、例の、何処行っちゃうんだろう、演奏もそこそこに…のパターンです)のも、素晴らしい。微妙に終電で帰れたのが心残りっちゃあ心残り、っていうぐらいの!

で、二日目は意地でも終電逃す心づもりで、わんわんvsきゃんきゃんの本公演。前日のゆるいやつを想像していくと、エラい勢いで裏切られてビックリ。

きゃんきゃんは鬼のようなドラムを叩くグレッグと、いつもの千手観音バージョンの植野さんが、交差するかしないかの微妙なラインを平行飛行続けるタイプのセッション。グレッグのリズム(何、あのリズム)も、植野さんの玄人っぷりも心に残るも、これはかなり敷居高いかも、と感じたけれども、お客さん大興奮。

きゃんきゃんの二人はそのままで、そこにわんわんがフロントに加わってのステージは、最初テニス色が強くなるのかな、と勝手に思っていたのだけど、これまた見事な調和を見せていた。なんだろう、きちんとオルタナ(っていうと極端に語弊あるけど)しているテニスコーツ、っていう側面も真だと思うし、もやのかかったディアフーフという言い方もアリだろうなあ。ボトムの頑張りで、肉感的に聞こえるステージは、パンクの興奮を備えていたし、そのおかげでカウンターアクションという場所にも見事にフィットしていた印象。前日もプレイした、見事なメロディとコーラスワークの名曲も、既に頭から離れない状態になって、会場を後にした。

今回、札幌のお客さんってどんな感じなのかなーと思って見てきたんだけど、筑波にいたときのような、何が何でも食いついて吸収せんとする、前向きな力が圧となっていて、正直そこに加われてとても楽しかった。これは、やっぱ地方都市でプレイしたいなあ、と改めて感じながら、キーを打つ手を止める事にします。

*1:深夜10時からのライブ